君愛‐kimiai‐
何がよかったんだろう?



その男の子はあたしに近づいてきた。




えっ?何?あたし?




あたしの頭の中ははてなマークで埋め尽くされている。



「ごめんな?柚?」



なんで謝ってるの?


柚ってあたし?


あたしに言ってるんだよね?




あたしが何も言わないことを心配しているのか、不安そうにあたしの顔を覗き込んだ。




「おい、どうしたんだよ?」





あたしは今思っていることを口にした。





「あのー…柚ってあたしのことですか?それとあなたは誰ですか?」



するとその男の子の顔はどんどん青ざめていった。



あたし何か変なこと言った?



「おい、そんな冗談ぜんぜん笑えねーぞ。」



そう言って苦笑いした。



冗談?何が?



あたしは何も言わなかった。



「まさか、お前まじで言ってんの?」




あたしはコクリと頷いた。




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