君愛‐kimiai‐
…―――――――――――――――――




記憶喪失




病院の先生からそう告げられた。




分かってた。




薄々気づいてた。




だって自分の名前すら分かんないんだもん。





そんなの可笑しいもん。



忘れる前の記憶が無いから無くしたって感じがしない。



例えるなら、



元々もって無いものを無くした感じ。



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