予言写真
あたしはなんだか申し訳ない気持ちになってしまった。


「幽霊なんていない」


突然後ろからそんな声が聞こえて来て、あたしと愛子は飛び上がるほどに驚いた。


振り向くと、そこには理子が立っていた。


理子の顔は青白く、今にも倒れてしまいそうだ。


目の下には真っ黒なクマができていて、一見しただけじゃ理子と判断がつかないくらいだった。


あたしと愛子は驚いて言葉がでなかった。


理子にジッと睨まれて、あたしは後ずさりをする。


「理子……あのね、昨日は怖がらせてごめんね」


あたしはやっとの思いでそう言った。


理子と会話をしているだけなのに、体中から冷や汗が流れている。


「幽霊なんていない」


理子は強い口調でそう言った。


「理子、怖いからってそんなに否定しなくても――」


愛子が理子にそう言い返した瞬間、理子の手が愛子の体を突き飛ばしていた。
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