予言写真
不意の事で愛子はそのまま後ろにこけてしまった。


「愛子!」


慌てて愛子を助け起こす。


幸いにも、怪我はしていない様子だ。


「理子、あんた――」


「幽霊なんていない! 霊感だって嘘っぱち! そんなものを信じてるなんて、あんたたち頭悪いんじゃないの!?」


あたしの言葉を遮るように理子が叫んでいた。


あたしの言葉は簡単にかき消されてしまい、怒鳴り散らす理子に唖然とする。


理子は次から次へと暴言を吐き、それは徐々にエスカレートして行った。


最後の方には理子が普段絶対に口にしないような『死ね』とか『殺す』と言った言葉まで出て来て、あたしは愛子と目を見交わせた。


こんなの理子じゃない。


今日の理子はまるでなにかにとりつかれているように見えた。


とりつかれる……?


あたしはハッとして理子を見た。
< 135 / 245 >

この作品をシェア

pagetop