予言写真
昨日あの丘に行ったとき何かあったのかもしれない。


あそこにいた霊が理子にとりついたとか……?


あたしは理子の口から出て来る暴言を聞きながら、ブラウスの胸元に手を入れた。


昨日渉からもらったお守りをネックレスにして下げてきたのだ。


あたしはそれを取り出して理子の前にかざして見せた。


もし理子の中になにか悪い物が入っているとすれば、なにか反応を見せるかもしれないと思ったのだ。


しかし、理子はお守りを見た瞬間狂ったように笑い始めたのだ。


「アハハハハハハ!!」


お腹を抱えて涙を浮かべて笑う。


その異様な光景に屈しそうになるけれど、あたしはお守りをグッと握りしめていた。


やがて理子の笑い声は異質なものへと変化して行った。


「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」


その声は何重にも重なり合い、あたしの鼓膜を揺るがした。


理子はボロボロと涙をこぼしながら笑っているのだ。
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