予言写真
☆☆☆

神社は渉の家のすぐ裏にあった。


そこは普段人目につかないような場所で、鳥居がひっそりとたたずんでいる。


「こんな場所があったんだ……」


あたしは赤い鳥居を見上げてそう呟いた。


「あぁ。そんなに有名じゃないけれど、俺の親戚が神主をしてるんだ」


「そうなの!?」


あたしは驚いてそう聞き返した。


そんなのは初耳だった。


「そうなんだ。親戚の中には俺と同じで霊感を持っている人もいて、そういう人たちが引き継いでる」


「それじゃぁ、将来的には渉もこの神社を継ぐの?」


「その可能性もゼロじゃないかな」


会話をしながら境内を進んでいくと、奥から50代くらの男性が出て来た。


「おぉ、渉か」


その男性は渉を見つけてすぐに声をかけて来た。


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