予言写真
歌詞もメロディーも、問題も何も頭には入って来ない。


だけど少しだけ気分は軽くなる。


美津もこんな気持で今日学校へ来たのだろう。


どうにか問題を解き進めていた時だった。


スマホが鳴りはじめてあたしはプリントから顔を上げた。


テーブルの上で光っているスマホを手に取ると、渉からの着信だった。


なにかわかったのかもしれないと思い、すぐに電話に出た。


「もしもし?」


『もしもし梢か?』


「うん。何かわかったの?」


『あぁ。今ばあちゃんに写真を見てもらった所なんだ』


おばあちゃんか。


両親は説明会に出かけていていないのだろう。


「それで?」


『あのモヤは昔亡くなった子供にそっくりな顔をしているらしい』
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