予言写真
☆☆☆
彰が入院していた病室を、あたしも渉も覚えていた。
足音を響かせながら真っ直ぐにその病室へ向かう。
何度も通っていたから薬品の匂いにも馴れてきている。
しかし、一番端のその部屋に辿りついた瞬間、あたしたちはその場に立ち尽くしてしまった。
真っ白なドアに張られたプレートには《道具室 立ち入り禁止》と書かれていたのだ。
あたしたちは何も言えないままその場に立ち尽くしていた。
もしかしたら、彰が退院した後に病室から道具室へと変更になったのかもしれない。
だけど、その考えは簡単に打ち砕かれた。
偶然見かけた看護師さんにこの部屋について聞いてみると、ここは病院が建った当初から道具室だったと教えられたのだ。
モヤの正体が彰である可能性がほぼ確実となり、愕然とする。
「な……んで、こんな……?」
道具室の前で立ち尽くしてそう呟くあたしの手を、渉が握った。
「とにかく、病院から出よう」
そう言われ、あたしは茫然としたまま歩き出したのだった。
彰が入院していた病室を、あたしも渉も覚えていた。
足音を響かせながら真っ直ぐにその病室へ向かう。
何度も通っていたから薬品の匂いにも馴れてきている。
しかし、一番端のその部屋に辿りついた瞬間、あたしたちはその場に立ち尽くしてしまった。
真っ白なドアに張られたプレートには《道具室 立ち入り禁止》と書かれていたのだ。
あたしたちは何も言えないままその場に立ち尽くしていた。
もしかしたら、彰が退院した後に病室から道具室へと変更になったのかもしれない。
だけど、その考えは簡単に打ち砕かれた。
偶然見かけた看護師さんにこの部屋について聞いてみると、ここは病院が建った当初から道具室だったと教えられたのだ。
モヤの正体が彰である可能性がほぼ確実となり、愕然とする。
「な……んで、こんな……?」
道具室の前で立ち尽くしてそう呟くあたしの手を、渉が握った。
「とにかく、病院から出よう」
そう言われ、あたしは茫然としたまま歩き出したのだった。