予言写真
それが彰と、墓地の中の霊たち。


あたしと渉は彰の顔を見ても嫌な雰囲気を感じることはなかった。


それはきっと、彰が守る側の霊だったからだ。


だけど、無数の霊たちの力には叶わなかった。


だから彰は実際に姿を現して、あたしたちを守ろうとしていたんだ!!


それなのに、あたしたちは彰が死人であると気が付いてしまった……。


死人だと気が付かれた彰は、もうここにはとどまっていられない。


みんなから自分の記憶を消し、いなくなってしまった。


強い風がふき、あたしの手から写真が飛ばされて行った。


「梢!!これを持て!!」


そんな声が聞こえて来て振り返る。


渉がこっちに走ってくるのが見えた。


その手にはしっかりとお守りが握りしめられている。
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