予言写真
☆☆☆

昼前のファミレスは人がまばらだった。


その窓際の4人席に愛子は座って待っていた。


どのくらい待っていたのだろうか、イライラしたように指先でテーブルをコツコツと叩いている。


あたしはスマホで時間を確認した。


約束まであと10分はある。


「愛子」


近づいて声をかけると、愛子はハッとしたように振り向いた。


その目は充血していて、目の下にはクマができている。


その顔に驚いてあたしは愛子をマジマジと見てしまった。


「ひどい顔でしょ」


愛子はそう言い、頬に触れた。


「なにがあったの?」


そう聞きながら愛子の向かい側に座った。
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