予言写真
☆☆☆

それからあたしと歩はどうにか授業を続け、4時間目に差し掛かっていた。


今日の4時間目は体育になっていたので、あたしたち2人は教室で自習をすることになった。


他に生徒たちはいない。


滅多にない2人きりの空間に、心臓がドキドキしてくる。


渉は数学の教科書を取り出して真剣に読みこんでいる。


あたしも同じように数学の教科書とノートを開いた。


できれば同じ所を勉強したいな。


頭の中でぼんやりとそう考えるけれど、渉が今どこを勉強しているのかわからない。


「梢、ちょっと来て」


シャーペンを手に持った瞬間そう声をかけられ、あたしは驚いてビクッと身を震わせた。


とても真剣に勉強している様子だったから、話かけられるとは思っていなかった。


「な、なに?」


そう聞きながら席を立ち、渉の席まで移動した。


わからない箇所でもあるのかと思っていたが、渉の机に出ていたのはあの写真だったのだ。


ノートの上に置かれた写真に一瞬息を飲み、顔をそむけた。
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