8月の神隠し
第1章
あれはまだ小学三年生の夏休みだった。


晶(あきら)が住む場所は、山麓の人口4割近くをお年寄が占める小さな町で、通っていた小学校はひとクラス15名ほどしかいなく、ここ7年で少子高齢化が進んでいる。

人口も少ない分、町のみんなは殆ど顔見知り状態で親戚のような関係が風習になってた。


最高気温30度と蒸し暑く 蝉の声とギラギラ眩しすぎる太陽の日差し、夏のにおいと汗の味…五感を刺激する8月はじめ、事件が起きた。

親友でもあり姉のような、かけがえのない家族の涼香(すずか)が 神社へお参りに行ってから姿を消したのだ。

一週間後、変わり果てた姿になって見つかった涼香の命を奪ったのは…神隠しか否や。
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