私のメモ
その答えを聞いた武田さんは、悍ましいほどの高笑いをしながら、どこからともなくA4サイズのノートを取り出した。なんの変哲もない、ただの大学ノートを。
それの表紙には、ヤケに達筆な筆文字で、
【私のメモ】
と、書かれていた。(恐らく武田さん直筆だろう)
「私の、メモ……?なんですかこれ?」
「今日から、自己の成長を綴る日記をつけろ」
唖然とした。
このとんでもない企画を考えた武田さんに、酷い憤りを感じた。
更に言えば、「私のメモ」っていうタイトルが恥ずかしすぎる。
武田さんは淡々と続ける。
「そうだな、まず3ヶ月間でいい。1日1ページだ。毎日提出するように」
「え、無理です」
即答だった。
毎日1ページ分も書けるほど、ニンゲン、成長できるはずがないじゃないか。
「何を甘えたことを言っているんだ!!曲がりなりにも“先輩”としてこれから後輩を指導していく立場になるんだぞ!」
武田さんは腕を組み、いつも通りの怖い顔をしている。
確かに私は今日から、入社2年目になる。新入社員も入ってくる。
でも、それとこれとは話が別だ。
そもそも、入社前研修のレポート3枚程度すら提出できないような私に、毎日日記を書けだなんて、いきなり難易度が高すぎる。あり得ない。
それの表紙には、ヤケに達筆な筆文字で、
【私のメモ】
と、書かれていた。(恐らく武田さん直筆だろう)
「私の、メモ……?なんですかこれ?」
「今日から、自己の成長を綴る日記をつけろ」
唖然とした。
このとんでもない企画を考えた武田さんに、酷い憤りを感じた。
更に言えば、「私のメモ」っていうタイトルが恥ずかしすぎる。
武田さんは淡々と続ける。
「そうだな、まず3ヶ月間でいい。1日1ページだ。毎日提出するように」
「え、無理です」
即答だった。
毎日1ページ分も書けるほど、ニンゲン、成長できるはずがないじゃないか。
「何を甘えたことを言っているんだ!!曲がりなりにも“先輩”としてこれから後輩を指導していく立場になるんだぞ!」
武田さんは腕を組み、いつも通りの怖い顔をしている。
確かに私は今日から、入社2年目になる。新入社員も入ってくる。
でも、それとこれとは話が別だ。
そもそも、入社前研修のレポート3枚程度すら提出できないような私に、毎日日記を書けだなんて、いきなり難易度が高すぎる。あり得ない。