俺のバンドのボーカルは耳が聞こえません
Aメロ

つまらない青空




何もかもが、つまらなかった。



平日の真っ昼間から学校へも行かずに俺が来た場所は、最寄り駅からひと駅分くらい遠い町の、見知らぬ公園。

ひと駅分くらいと言っても、そんな都会じゃないから徒歩3分でも着くような距離にある訳じゃなく、自転車で30分程度かかる距離にある。
まあまあ遠い町だ。

平日だからか、公園には誰もおらず、俺は一人でベンチに座って空を見上げた。


耳につけているヘッドフォンから流れる邦楽も、何十回と聴いたせいで、もう価値のないただの雑音に思えてくる。

じゃあ何故そんな曲を聴いているのか。
知らねえよ、そんなもん。


中学校を卒業してすぐ働ける訳もないから、という理由で自分が行けるレベルの高校に進学して、一年生の頃はちゃんと通っていたかな?

二年生になってから、少しずつ行かなくなっていって、今は全く行っていない。

< 1 / 74 >

この作品をシェア

pagetop