俺のバンドのボーカルは耳が聞こえません
底辺バンド結成
「…さてと、まずはメンバー集めからだな。んー、俺の知り合いに楽器弾けるやついたかな…」
ベンチに座り直して、スマホをいじる俺の服を、音生はちょんっと引っ張った。
「ん?何?」
俺が首を傾げると、音生はメモ帳を俺に渡す。
『何してるの?』
『知り合いに楽器弾けるやついないか探してる。お前は何か弾ける?ギター?』
『なるほどね、ありがとう。うん、私はギターなら弾けるよ』
『いーえ。じゃあ、とりあえずドラムから探すか』
『分かった。よろしくね』
俺はコクリと頷いた。