俺のバンドのボーカルは耳が聞こえません


「まず、俺が気になったのは、練習量だ。お前らは人前で演奏するのが初めてだったのか?」

「ああ」

「だからチームワークが出来上がっていないし、勝手が分からないってのもあるだろうけど、練習期間も短かったんだろう」

「練習期間は…4ヶ月はあったぞ」

「4ヶ月は短いよ。音ちゃんがただのボーカルならまだしも、耳が聞こえない上にギター、歌ってのが4ヶ月で完璧に仕上がるなんて、どこの世界の話だよ」

「……。」


それはその通りだった。

正直、俺らも間に合わないと思いながら、完璧な出来だと満足できないまま参加した節がある。


「そもそもバンドとしてスタートしたばかりで、俺の勘では全員バンド自体初めてそうだし、そんな中で4ヶ月は短すぎる。きっとそれは感じていたはずだ」

「時間が足りないとは思っていましたね…」


イツが神妙な面持ちでそう小さな声で返した。



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