二つの気持ち

目の届く所から知樹を追い出し、着替えを済ませた。

途中、
ゴトン
…と携帯が落ちた。


「…っヤバっ!!?」


ピカピカと光る携帯を開くのが、本当に怖くて。

投げ付けて壊してやろうか

とか

このまま電源を切ってやろうか

とか

水没させてやろうか

とか


真剣に考えた。


…一瞬ね。



でも、できないのがアタシ。

高級ホテルなんて、似合わない場所で、半分着替えて携帯片手に座り込んでるアタシは、はっきり言って、相当にイケてない。


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