二つの気持ち
問題はそれから。
ハンバーガーショップでの出来事は、言わば『現実逃避』で…。
その現場から離れると、現実が襲う。
知樹とハンバーガーショップを後にして、気掛かりなのは、井上。
井上の恐怖は多分、刻々と迫って来る。
だったら…
と思う。
だったら、
『あの時電話を切らなければ良かったのに』
とか
『あの時ハシゴしなければ良かったのに』
とか
『あの時ケンカをしなければ良かったのに』
とか。
後悔の連続。
恐怖…
ただ、それだけが、頭の中をぐるぐるして、恐る恐る携帯を手にした。