二つの気持ち

夜の海は綺麗だ。

静かな波の音と、キラキラとデコレーションされた大きな橋。

水面にその橋が映って、イルミネーションが完成する。


本当なら、こんな憂鬱な気分ではなくて、涼やかな気持ちで、綺麗なこの海の夜景を拝みたいものだ。



片手にすっぽりと収まる、この小さな機械が、何故にこんなに気分を憂鬱にさせるのか。

考えただけでも腹立たしい。


いっそ、このまま海に沈めてしまおうかと思うくらい。




なんて。

そんなことしても、問題を先延ばしにするだけで、何の解決にもならないって分かってるハズだった。

< 23 / 33 >

この作品をシェア

pagetop