二つの気持ち
夜の海は綺麗だ。
静かな波の音と、キラキラとデコレーションされた大きな橋。
水面にその橋が映って、イルミネーションが完成する。
本当なら、こんな憂鬱な気分ではなくて、涼やかな気持ちで、綺麗なこの海の夜景を拝みたいものだ。
片手にすっぽりと収まる、この小さな機械が、何故にこんなに気分を憂鬱にさせるのか。
考えただけでも腹立たしい。
いっそ、このまま海に沈めてしまおうかと思うくらい。
なんて。
そんなことしても、問題を先延ばしにするだけで、何の解決にもならないって分かってるハズだった。