二つの気持ち

「どう最悪なわけ?」

話を簡単に
「ストーカー」
と言うと、まるでコントのように、ブッとドリンクを軽く吐き出した。

「汚ーい…」

と、汚れたカウンターを拭くと、そのお絞りを取り上げて、知樹が代わりに自分が汚したテーブルを拭いた。


「なんだそれ?」


と聞く知樹に、簡単に経緯を話すと、
「また、なかなか幼稚な元カレさんですこと…」

と、空いたグラスを持ち上げて、おかわりを注文した。


「全く…面倒なのよ」

と、軽く愚痴を吐く。
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