二つの気持ち
それからも、ポツポツと愚痴を零し。
知樹が冗談を言う。
アタシが軽くボケる。
その繰り返し。
それなのに。
「俺ら付き合うか」
と。
笑いの延長でそんなことを言うから、
「もぉ付き合ってあげてんじゃん」
とボケた。
付き合うの意味もはっきり言って不明。
知樹の言っている意味も不明。
だって…
「アタシ、知樹の事知らないもん」
一緒に居る時の知樹は知ってる。
だけど、それ以外は何も知らない。
いや、軽く自己紹介程度はしたけれど。
一緒に居る時間は心地良いと思ったけれど。
「このままが良い」
と、正直に口に出した。