二つの気持ち

「…あの…アタシ…
彼氏居るんです。」

って。
誰も聞いちゃ居ないし。
そう思ったけど、
さぁ。

ワンナイトなのに重たい女か!?とか思ったけど、
さぁ。


いや、やっぱりココはちゃんとね。
こーゆとこ、ちゃんと確認しなくちゃね。



「へっ?」

って。
知樹の間抜けな声。

ほらね。
知らなかったんだ。

だって、初めて会って、ナンパ(!?)されて、ほいほい付いて行って、更にホテルでヤッちゃうような女ですものね。

そりゃ、彼氏ナシかと思うでしょう。

でも、お生憎様。


「だから、彼氏居るんです。」

ってね、得意気に言ったら、

「知ってるよ?」

って。

ほらね。
知ってる…って。

……

…ん?
知ってるって…?


「嘘…」

「だって、派手なケンカしてたじゃん。」


と、まぁ、なんと爽やかに知樹は言うのでしょうか…

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