修羅場の色
「う―んっ」


 ここは何処だろう?


 うっすら目を開けるが、見覚えの無い天井だ…

 どうやら、私はベットの中に居る。

 体を横に向けると、男の人が寝ていた。


 私は、その姿に一気に酔いがさめ、頭が真っ白になった。

 男の人は副社長だ……



 慌てて自分の姿を確認すると、服はちゃんと着ている。

 副社長もワイシャツを着ていた。


 ほっと胸を撫でおおろし、夕べ疲れていた上に飲んだビールに酔いか回った事を思い出した。


 まだ、外は暗い……
 一体何時なんだろう?


 サイドテーブルの時計に手を伸ばすと、ガタっと時計の前に置いてあったリモコンが落ちた。


「う―ん」

 副社長が目を覚ましてしまった。


「大丈夫か?」

 副社長の手が伸び私の頭を撫でた。


「は、はい。すみません。か、帰ります」

 私がベッドから出ようとすると、副社長が私の腕を掴んだ。


「こんな時間じゃ、電車も無いよ。このまま泊まっていこう」


「えっ。でも……」


「俺とじゃ嫌?」


「いいえ、そういう訳じゃ…」


 そうは言っても、副社長と同じベッドで朝まではまずい!
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