修羅場の色
「俺は飯山さんと居たいんだけどなあぁ」


 彼のうっとりとした目に引き込まれそうになる。


「で、でも、まずいですよ」


「どうして?」


「お、奥さんに誤解されたらどうするんですか?」


「別にかまわない…… 俺は飯山さんが好きだよ」


「えっ」


「キスしていい?」


 副社長が起き上がり、顔が近付いて来た。


 避けようと思えば避けられたはずなのに、私の唇は副社長に奪われた。

 軽く重なった唇は柔らかく、力が抜けて行く……


 副社長の唇はどんどんと深くなって行き、ベッドの上という状況が悪すぎる…… 


 副社長の手は私の背なかを撫で、ブラウスの裾がたくし上げられて行く……


「ちょ、ちょっと待って……」
 
 私は副社長の手から離れようとしたが……


「嫌だ……」


 副社長の唇は、私の首筋へと降りてきた。


「うっ……」

 思わず声が漏れ、力が入らない……


「美優……  愛している……」


 副社長の手はブラウスのボタンを器用に外し、私は瞬くまに裸にされた…


 副社長は体を起し、少し笑みをこぼすと、じっと何も纏わない私の胸を見ている……


 私は恥ずかしさに耐えられず、副社長の背中に手を回し、副社長の胸に自分の胸を押し付けた……


 副社長は、そのまま私の上に覆いかぶさった。



 そして…… 私は副社長の愛人となった…

< 5 / 20 >

この作品をシェア

pagetop