漆黒の薔薇
だけど、





───バーンッ!




その場に拳銃を発泡した音が響き渡った。


撃たれたのは、








───お父さん。




そして撃ったのは、



『う、そ…なんで?』







当時、お父さんの補佐役をしていた相川 雅明さん。




お父さんと相川さんは小さい頃からずっと一緒でお互いが信頼していた。




なのに、どうして。どうして?


「悪りぃな、恭平。てめぇには死んでもらう」




恭平というのはお父さんの名前。




「まさ、あき…。な…んのつも、りだ」


お父さんが撃たれたのに動く事が出来ない。

今すぐ駆け寄って止血をしなきゃいけないのに。





「何のつもり?ハッ笑わせるな。俺はこの街のトップになりたい。だけどお前がいる限りなれやしない。だから───死んでくれよ」






相川さんは再び拳銃を構えた。


動け、動け!
このままじゃお父さんが死んじゃうっ!


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