漆黒の薔薇
お父さんが殺されてから街をウロウロして。
生きる希望がなくなった私は、私を必要としてくれる人を探していた。
絶望、そんな真っ暗な闇に浸っていた時に現れたのが、若くして桐生組の若頭を務めている天龍総長の桐生 嵐。
“お前、天龍に入れ”
街をウロついていた時に総長から言われた言葉。
桐生組や天龍はとにかく上を目指していた。
利用価値があるとみなせばとことん使う。
こいつは私を利用するつもりだ、そう思った。
だけど、何故か必要としてくれていると思って天龍に入った。
居場所が欲しかった。独りになりたくなかった。
そして、頑張って幹部にまで登りつめた。
こうして、今に至るのだ。
総長や、藍さん、そして天龍が私を道具としてしか見てないのは分かっている。
それを知ってて、天龍に縋っている私は、
───本当に醜いと思う。