漆黒の薔薇
潜入
───カランコロン
「いらっしゃい」
『お願い、助けてっ!追われてるの!』
只今の時刻午後11時30分。
私は漆黒が集まるというbarに来た。
そう、今日が実行日。
───カランコロン
「逃げんじゃねーよ」
「手間かけさせやがって」
「もう逃げれねーぜ?」
私に続けて入って来たのは男3人。
こいつらはただの不良。
ちょうど良かったから利用させてもらった。
路地裏でナンパされて面倒くさいからそのままここに来た。
ジリジリと近づいて来て壁に追いやられる私。
「おい、ここで暴れんじゃねぇ。萊、止めろ」
マスターのイラついた声。
まぁそうだよね。大切な自分のお店な訳だし。
萊、そう呼ばれた男は黒髪で目尻にホクロが付いている色気のある男。
「君たちもうちょっと周りを見た方がいいよ?これ、俺からのアドバイス」
男はそう言って足を振りかざした。