追いかけて、1mm




現実はそんなに甘くないらしい。
わたしは甘く考え過ぎていたみたいだ。


黒板に張り出されている座席表を見て、桃ちゃんと思わず固まってしまう。後ろを振り返って自分の席を確認すると、やっぱり当たり前のように人だかりが出来ていて。


わたし「佐藤飛鳥」は「桜井怜央」の後ろの席らしい。


らしい、何て他人事みたいだけれど、女の子で溢れかえっている私の席を見て、他人事のようにしか思えなかった。


なにより救いなのが、後ろの席に桃ちゃんこと、「鈴木桃」が居ることだ。


そんな桃ちゃんも、

「2年連続で高橋勇太の前の席だ!鈴木に産まれるんじゃなかった!悪夢だ!」

なんて、絶望していた。
どうやら今年の私たちは相当運が悪いらしい。


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