名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
「そういうところって何」
「ノリがいいところ。っていうか、変顔?」
「ひどい! でもわたしもそうちゃんのそういうところ、好きだよ。多分わたしの方が好き」
「ばーか、うっさい」
何言ってんの、と弾む声を聞きながら、わたしもおどけて笑ってみせる。
変顔だっていい。ノリだと思われたっていい。
確かに今のは、告白じゃないから。
……でも、ねえ、そうちゃん。
わたしね、そうちゃんが本当に好きだよ。
今のわたしたちには、付き合って彼氏彼女になるより、幼なじみでいる方が大事で居心地がよかった。
だから、言わない。
ずっと、言ってない。
そういうところ、だなんて誤魔化して。
でも、でも。
もう随分前から、わたしは、そうちゃんのことが、好き、なんだよ。
——軽やかな好きが言えていた頃の。
馬鹿なやりとりをしていた頃の、日常はほろ苦く、甘い。
「ノリがいいところ。っていうか、変顔?」
「ひどい! でもわたしもそうちゃんのそういうところ、好きだよ。多分わたしの方が好き」
「ばーか、うっさい」
何言ってんの、と弾む声を聞きながら、わたしもおどけて笑ってみせる。
変顔だっていい。ノリだと思われたっていい。
確かに今のは、告白じゃないから。
……でも、ねえ、そうちゃん。
わたしね、そうちゃんが本当に好きだよ。
今のわたしたちには、付き合って彼氏彼女になるより、幼なじみでいる方が大事で居心地がよかった。
だから、言わない。
ずっと、言ってない。
そういうところ、だなんて誤魔化して。
でも、でも。
もう随分前から、わたしは、そうちゃんのことが、好き、なんだよ。
——軽やかな好きが言えていた頃の。
馬鹿なやりとりをしていた頃の、日常はほろ苦く、甘い。