名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
「みい。寒くない?」
風が何度か過ぎるのをやり過ごしていると、そうちゃんが小さく呟く。
「寒くないよ」
大丈夫、ありがと、と言ったのに、そうちゃんはなんだか不満そうで、首を傾げる。
「何?」
そうちゃんはこちらを見て、前を見て。
「……そこは寒いって言うところ」
むすりと、唇をとがらせた。
……この、ひとは。もう。
急に上がり始めた体温をごまかすべく、流してみる。
「えええ? そう?」
「そうなの」
流してみたのに。
「あと俺は寒い」
そんなことを、少し照れた声音で言うから。
わたしが耐えられなくて、困る。
「……そ、ですか」
「……そうなんです」
そうちゃんがわたしの手をさらった。
そうちゃんの制服のポケットに、そのまま入れられる。
「わ、そうちゃんの手冷たいんだけど」
「ん。寒いの。だからあっためて」
「やだ」
「けち」
「けちじゃない!」
本当に寒いんだなっていうのは分かった。分かったけど。
冷たいそうちゃんの手に、わたしの体温がどんどん奪われていく……!
風が何度か過ぎるのをやり過ごしていると、そうちゃんが小さく呟く。
「寒くないよ」
大丈夫、ありがと、と言ったのに、そうちゃんはなんだか不満そうで、首を傾げる。
「何?」
そうちゃんはこちらを見て、前を見て。
「……そこは寒いって言うところ」
むすりと、唇をとがらせた。
……この、ひとは。もう。
急に上がり始めた体温をごまかすべく、流してみる。
「えええ? そう?」
「そうなの」
流してみたのに。
「あと俺は寒い」
そんなことを、少し照れた声音で言うから。
わたしが耐えられなくて、困る。
「……そ、ですか」
「……そうなんです」
そうちゃんがわたしの手をさらった。
そうちゃんの制服のポケットに、そのまま入れられる。
「わ、そうちゃんの手冷たいんだけど」
「ん。寒いの。だからあっためて」
「やだ」
「けち」
「けちじゃない!」
本当に寒いんだなっていうのは分かった。分かったけど。
冷たいそうちゃんの手に、わたしの体温がどんどん奪われていく……!