名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
ものごころついたときから一緒にいて、ケンカしたことも何度もあったけど、美里の隣はいつでも居心地がよかった。
暗がりが怖い幼なじみは、ちょっと心配性で、連絡が丁寧で、ちょっと自分に厳しくて、好きなものをはっきり好きと言って、ちゃんと確認を取る。
そういう当たり前のことが当たり前にできている。
当たり前、というのは、やっぱり学校とか家とか環境ごとに違うから。
俺と美里の当たり前が、ぴったり合うというか。
認識の擦り合わせができている、というか。
一緒にいてストレスがない、というか。
まあ、そんなところなんだけど、そばでまったりできる女子は俺にとって美里一人で、肩肘張らなくていいからこそ、楽で。
俺は美里のいいところばかりを知っていく。
どんどんどんどん、好きになっていく。
暗がりが怖いところ。
悪口を絶対に言わないところ。
ちょっと泣き虫なところ。
好き嫌いがはっきりしてるところ。
ココアが好きなところ。
自分の名前以外の字が丸くて読みにくくて、下手なところ。
鼻歌を歌うところ。
俺を見るときだけ、熱っぽい目をするところ。
ふと、美里の顔がよみがえった。
泣き出しそうな、幸せそうな、静かな、静かなまなざし。
……あの、目は。
あの目は、ずるかった。いつも。今も。
暗がりが怖い幼なじみは、ちょっと心配性で、連絡が丁寧で、ちょっと自分に厳しくて、好きなものをはっきり好きと言って、ちゃんと確認を取る。
そういう当たり前のことが当たり前にできている。
当たり前、というのは、やっぱり学校とか家とか環境ごとに違うから。
俺と美里の当たり前が、ぴったり合うというか。
認識の擦り合わせができている、というか。
一緒にいてストレスがない、というか。
まあ、そんなところなんだけど、そばでまったりできる女子は俺にとって美里一人で、肩肘張らなくていいからこそ、楽で。
俺は美里のいいところばかりを知っていく。
どんどんどんどん、好きになっていく。
暗がりが怖いところ。
悪口を絶対に言わないところ。
ちょっと泣き虫なところ。
好き嫌いがはっきりしてるところ。
ココアが好きなところ。
自分の名前以外の字が丸くて読みにくくて、下手なところ。
鼻歌を歌うところ。
俺を見るときだけ、熱っぽい目をするところ。
ふと、美里の顔がよみがえった。
泣き出しそうな、幸せそうな、静かな、静かなまなざし。
……あの、目は。
あの目は、ずるかった。いつも。今も。