名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
固まるわたしに、そうちゃんもぎくしゃくしている。


「……いらないなら、いい」

「っ」

「ごめん変なこと言った。忘れて。ごめん」


早口に流されたけど、違くて、待って。


待って。


そうじゃなくて。


「いらないんじゃなくて……!」


慌てるわたしの訂正に、こちらを見ないようにしてくれていたそうちゃんが、勢い良く振り返る。


目が腫れてるのなんて気にしない。

鼻声なのも今はいい。

鼻がきっと赤いのも、置いておいて。


そうっと、震える息を吸った。


「違うの」


——いらないんじゃ、なくて。
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