名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
「今はまだもらわなくていいから、いつか、いつか、わたしがそうちゃんと会えなくなるときに欲しい」
欲しいよ。
第二ボタンだって何だって欲しいよ。
でも今は、そうちゃんがいてくれるから。
まだあと三年間は、そうちゃんがいてくれると思うから。
きっといつか、大学生になったときとか、大人になったときとかに渡して欲しい。
いつか。
まだ遠いと信じていたい、いつか。
そうちゃんが、隣を歩かなくなるときに。
唇を噛みしめるわたしに、そうちゃんがゆっくり口を開く。
「じゃあ、いつまでも渡せないかな」
「っ」
それでもいいよ。
渡せなくて、いいよ。
「……そうだといいな」
こぼれた本音に、わたし自身が息を飲む前に。
「きっと、そうだろ」
笑う気配がした。
前を向いてしまって、その顔はよく見えないけれど。
背筋の伸びた、広くて大きい背中越しに、そうちゃんが静かに笑う気配がした。
欲しいよ。
第二ボタンだって何だって欲しいよ。
でも今は、そうちゃんがいてくれるから。
まだあと三年間は、そうちゃんがいてくれると思うから。
きっといつか、大学生になったときとか、大人になったときとかに渡して欲しい。
いつか。
まだ遠いと信じていたい、いつか。
そうちゃんが、隣を歩かなくなるときに。
唇を噛みしめるわたしに、そうちゃんがゆっくり口を開く。
「じゃあ、いつまでも渡せないかな」
「っ」
それでもいいよ。
渡せなくて、いいよ。
「……そうだといいな」
こぼれた本音に、わたし自身が息を飲む前に。
「きっと、そうだろ」
笑う気配がした。
前を向いてしまって、その顔はよく見えないけれど。
背筋の伸びた、広くて大きい背中越しに、そうちゃんが静かに笑う気配がした。