名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
幼い頃から変わらずに、俺の前でだけ、美里がときおり見せる目。


気づいたら誤魔化されてしまうような、一瞬だけこもる熱。


……じわり、頰が赤くなる。


俺の勘違いだったら恥ずかしいけど、もし、勘違いじゃないとしたら。


あれは、ほんとずるい。


あんな、キラキラした熱っぽい目を向けられたら、誰だって勘違いする。


——俺のこと好きなのか、なんて。


俺と、同じなのかって。


もしかしたら、好きすぎてそんな幻覚を見てるだけかもしれないけど。


もしほんとに幻覚だったら恥ずか死ぬ。つらい。


でも、あの目があってもなくても、俺は美里が好きだ。


何としてでも予定を入れずに、暗がりを一緒に帰ってきたくらいには、俺は、怖がりな幼なじみが、ずっとずっと好きなんだ。
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