名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
「だからなんでもない」


と、言われたけど。


いやいやいや、なんでもなくないよ! 大ありだよ!


「と、泊まる! 泊まるよ! 泊まりたいよ!?」


咳き込むみたいに言い募る。


「わたし泊まりたいよ! すっごく泊まりたいよ!」

「おわ、近い近い! 分かったから! 近いって!」

「と、ま、り、た、い、よ!」

「分かったって……!」


わたしの勢いに押されて反射的に頷いてから、それでもまだ泊まりたいアピールをやめないわたしに。


そうちゃんは顔をくしゃくしゃにして、肩を震わせて、変な顔をしながらしばらく耐えていたんだけど、とうとう、ふは、と噴いた。


うつむいた顔は見えないけど、肩が盛大に震えている。


「どんだけ主張してんの、笑うから……! 笑うからやめろ……!」

「だって泊まりたいなあと思って……!」


そうちゃん、笑ってるだけでうんともすんとも言ってくれないから。


返事がないと不安になるじゃんか。


だから泊まりたいアピールしてたのに、そしたら笑い出すし……!
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