名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
「いや、うん、分かったから。すごく伝わったから。泊まっていきなよ」


あっさり許可が出た。


「え、いいの!?」

「ん、いいよ」


久しぶりすぎて了承してもらえるとは思っていなかったので、ぱあっと顔が明るくなった自覚がある。


対してそうちゃんはそんなわたしを認めて、とうとうお腹を抱え出した。


ひどい。

わたしは真面目なのに、喜んだ女子をお腹を抱えて笑うなんてひどくないですか。


いや、確かにものすごーく喜んでるけど。


……でも、本心だから。とは、やっぱり言えないのだ。


「美恵子さんと母さんに連絡してきて」


続いた言葉に確信を得て、もっと笑顔になる。


わああ、わああ……!


本当にいいんだなあ……!


にこにこするわたしに、そうちゃんが優しく笑った。


楽しみだね、なんてお互い言わないけど、きっと二人とも楽しみにしてる。


「うん! いってくるね!」

「いってらっしゃい」


ばたばたそうちゃんの部屋を出る。


おばさんに了承をもらって、電話を借りて家にかけて、お父さんとお母さんから許可をもらった。


わあい、と部屋に駆け戻る。


ドアを開けたら、そうちゃんがぱっと顔を上げた。


その目がちょっと待ち遠しそうに輝いていて嬉しくなる。
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