名前で呼べよ。〜幼なじみに恋をして〜【番外編】
そうちゃんはずっと一緒にいてくれる。


朝も、お昼も、夜も。行きも帰りも。


ずっと変わらない。


でも最近、一緒にいてくれる理由は、いつもそうだからになった。


……前は幼なじみだからだったのに。


今はもう前みたいに、みいちゃんが心配だからとは決して言わない。


みいちゃんと呼ぶことさえ減ってきている。


そうちゃんにとって、もはやわたしたちの関係は慣れだけになっているんだろうなあと、思う。


……寂しくなる。


わたしも慣れなきゃいけないのかな。


周りの人たちはみんな男女で行動を分け始めた。


ずっと一緒にいたいと思うことは、子どもっぽいことなのかもしれない。

そうちゃんとみいちゃんでいたいと思うのこそ、駄目な、無謀なことなのかもしれない。


……それなら、幼なじみでいる意味なんてない。


だってそうちゃんは初めから幼なじみだ。


幼なじみだから隣にいるわけじゃない。


隣を歩くのに意味なんていらないはずで。


でも、幼なじみをやめてこの関係を壊すのは、そうちゃんにみいちゃんと呼ばれないのより、ずっとずっと怖かった。
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