【短】君と桜色のキス
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ホームルームが終わるとみんな、一斉に席を立つ。
明日の学校や、部活動のこと、今日決めた委員会だったり、先生や自分たちのことだったりと、様々な話題で盛り上がる。
一通り終わると、新しい友達に手を振り始めた。
「また明日!」
「歩美、バイバイ!」
「うん、バイバイ」
わたしもその中の1人。
初日はきっとうまくいった。翼のお陰で。
だけど、とても苦しい。自分1人では何も出来ないんだって気づいてしまった。
わたしは翼がいないと何も出来ないのかな。
「悔しい……」
悔しさを抱えたまま、わたしは教室を出る。