【短】君と桜色のキス
「たまたまさ。周りのヤツらがゲームの話ばっかしてて、このクラスはゲーマー多いのかなって気づいたから。歩美もゲーム好きだから、絶対に仲良くなれるって思ったんだ」
そういうことに気づけるのが、翼のすごいところ。羨ましくて、本当に憧れる。
「だから、なに?」
「嬉しかった。でも、これからはやめてよ、そういうの」
「え?」
翼の手が止まる。
「わたしなんかに構わないでよ! そんなことで時間使わないでよ! 翼はもっと他に目を向けるべきだよ!!」
「なにそれ」
「わたしなんか――」
ほっといて欲しい。その言葉が涙で遮られる。