【短】君と桜色のキス
思っていることを言葉にするって難しい。それが本心じゃなかったら、苦しくて普通じゃいられない。
そっか。
わたし、本当は翼と一緒にいたいんだ。
なんて我がままなんだろう。どこまでバカなんだろう。
「俺は歩美のことを見ていたいんだよ。歩美が困ってたらほっとけないし」
「でも一緒にいるのは難しいじゃん!」
わたしが叫ぶように言うと翼は首を傾げる。
「え。どうして?」
「翼、彼女いるんでしょ?」
「は?」
「彼女が可哀想だよ」
誰だかわからないけれど、翼の第2ボタンを持っている女の子。
想いが繋がった人。翼の隣で笑える人。
わたしはただの幼なじみ……。