恋愛の手引き
「あれ…」

悟の車に乗って、違和感が。

「何だよ」

渋滞にはまってしまって悟がイライラしている。

「香水の匂いがする」

私のつけているものとは違う、もう少し大人っぽい香り。

「…それがどうしたんだよ」

悟は私を睨んだ。

私は俯く。

「…大学の人でしょ?」

きっと。

前に見た女の人のものだ。

「お前には関係ないよ、気にすんな」

そう言って、悟は私の口を塞いだ。

「人が見るじゃない」

一瞬、離れた隙にそう言うと

「そんな事、気にするなよ。
俺だけを見てろ」
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