恋愛の手引き
「あわわ!ゴメン!!」

慌てて離れると

「何だったらずっと抱きついてくれても構わないよ」

そう言って見せた優しい笑顔。

それって、期待していいの?



しばらく私達は見つめ合った。

日は落ちて辺りは段々薄紫に包まれてきている。



「俺達、あの二人みたいに純愛なんて出来ないかもしれないけど」

松原くんはコホン、と咳ばらいをして

「付き合わない?案外お似合いだと思うけど」

私は頷いて

「真由達に負けないような恋愛が出来るといいね」



暗闇が支配しかけているのに、空が明るい事に気がついて私は空を見上げた。

綺麗な満月が出ていて、光り輝いていた。

「綺麗だね」

そう言って松原くんは私の手を握る。

私も握り返して二人で空を見上げていた。
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