お前の隣は俺だから。



そんな私にイケメン王子様はハンカチで涙を拭ってくれた



「好きなだけ使ってくれていいから。

何も知らない俺がここにいても思いっきり

泣けないと思うから、失礼するね。」




そう言って体育館の中に消えていった




なんだったんだろう……



薫のことですっごくショックを受けてたはずなのに


なんかすっごい心持ってかれちゃった



私の心の中にはぽっかり穴が空いた喪失感が大半を占める中、


よく分からない胸の高まりが渦巻いていた



彼が置いていったハンカチを鼻に当てると


とても洗剤のいい香りがした



香水の薫もセクシーでいいけど、洗剤ってやっぱり好青年だなぁ〜


なんて思いながら、本当は2人で帰るはずだった帰り道を1人で歩いた…



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