お前の隣は俺だから。
「中学の時から知りたいなんだっけ?」
私がそう聞くと、如月くんはにっこり頷いて続けた
「俺はさ、薫には本当に敵わないって思うんだよな。
バスケはさ、技術とか体力とか、その辺のことは俺だって、薫に届きたくて一生懸命努力して、やっと少しずつだけど追いつけたって思ってるんだ。
でも、あいつの周りを見る観察力とか、相手の考えを読む洞察力とか、チームメイトへのあつい信頼感だったりさ…
俺にはないものをいっぱい持ってる。
それに、それだけじゃなくて、
あんなに才能があるのにさ、周りから妬まれるわけでもなく、むしろすっごい人望があるんだよね。
それは薫がいばったり、偉そうなな態度とったりせず、みんなを自分と同じ目線で尊敬してるからなんだろうな。
普通さ、ありえないよ?あんなに才能あるやつがみんなから好かれてるなんて!!
ま、それだけ、薫は周りに気を回せる男なんだよな。
だから俺は、薫がライバルだって言ってくれてすごい嬉しい。でも同時に、どうしても届かない悔しさもあるわけ…
なんて、なんかごめん!熱く語って!!」
そう言いながら少し照れ臭そうにでも少し悪そうに眉を下げて笑った
「全然!!!むしろ感動したよ!?
薫のこと、そんな風に思ってくれてるなんて、如月くんだけだよ!
それに、それだけ相手のこと見えて、認めて尊敬できるって、それも如月くんの大きな才能だと思う!!
薫に敵わないって言うけど、如月くんだって本当にすごいっておもうよ!!?
私なんて自分ばっかりだし!!」