お前の隣は俺だから。


そう言うと、如月くんは優しく微笑んで、私の両肩を持って、向き合うように立った。


「夏川さんはもっと自分に自信を持つべき!


ほとんど初対面の俺から見ても、夏川さんは素敵な女の子だよ?


だから、もっと自信持って?」


そう言って私の頭に手をぽんと置くと前に進み始めた。


やばい……。あんなこと初めて言われたし、なにより、あんな笑顔で言われたから私の心臓、大変なことになってる。


それからは、如月くんの言うことにまともに受け答えできてなかったけど、知らない間に私の家まで着いてしまった



「あ、ここ……私の家。

ごめんね…こんなところまで!!
如月くんの家、こっち方面だった!?」



私がそう言うと、如月くんは優しく笑って


「女の子はそんなこと気にせず送られてたらいいの!!!


それに、俺、今日一緒に帰れて、本当よかった!いつの間にか敬語、抜けてきたし!!

夏川さんがマネージャーの部活に入れて、本当によかった。

これからもっと、いろんな話していこう?
俺やっぱ、夏川さんのこともっと知りたい




…じゃ、今日はここで。また明日」


そう言って、来た道を引き返す姿が見えた。


やっぱり家こっち方面じゃなかったんだ…。


この人って本当……。

これを素でしてるし…本物の王子様なんじゃないかと思う。


かっこいいし…完璧な人なんだなぁ。


それに

『俺やっぱ、夏川さんのこともっと知りたい』


なんて言われちゃうと、また私の心臓は大きく音を立てる。



神様…私、どうしちゃったんでしょう!!


分からないです!薫への気持ちも、この胸のドキドキも!!!


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