お前の隣は俺だから。
という意気込みはよかったものの…。
とうとう誘えないまま、修学旅行の前日になってしまった。
何やってんだ私は……。
修学旅行の前日ということで、部活も早く終わって…。
今日こそは薫と帰って誘うべきだ!!!
よし、よし、よし、誘うぞ!!って思ってたのに、なんですかこの状況は…。
私の目線の先には綺麗な夕日。その下にはこの街を見下ろせるような景色が広がっている。
そして、肝心な私の隣には薫…
ではなくて、如月くんがいた。
今日も楽しくキュンキュン、ドキドキしながら如月くんと一緒に帰ったのはいいんだけど…
いつもと違ったのは、帰り道に途中で私の家とは違う方向に向かって歩いたこと…。
ちょっと話したいことがあるって連れてこられた場所がここ。
あまりに如月くんが真剣な眼差しで言うから、私にまで緊張が伝わった。
「でさ…。修学旅行のことなんだけど。
夏川さんが回る人、いなかったらでいいんだけどさ。
自由行動、一緒に回らない?」