お前の隣は俺だから。
私だって、何も考えてないわけじゃない。
如月くんはこの2ヶ月間、いつも私を気にかけて一緒に帰る誘いをしてくれたりした。
それは決まって、薫が誰かに誘われたりして私が辛い思いをしてる時。
だから、私を元気付けてくれるのは、いつも、隣にいる美優と優しい如月くん。
この2人といると、自然と笑顔になって、安心した気持ちになる。
それに、如月くんは少し意地悪をして、よく私をドキドキさせる。
薫がいなければきっと、私はすんなりと如月くんのことが好きになってたんだろう。
如月くんだって、昨日は真剣に私を誘ってくれた。
『デート』って言葉を使って。
女の子と遊んだり、私を女の子扱いしてくれない薫をずっと想っているより、
このまま如月くんと楽しく過ごした方が、私は幸せなのかもしれない。
それに、如月くんなら、絶対好きになれる確証がある。
だから、私はこの修学旅行で
長年募らせてきた薫への思いを
断ち切る。