幼馴染って言ってもあんまり関わらないよね
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幼馴染で恋だとか愛だとか少女漫画では定番だけれども現実じゃそうはいかない。
俺には幼稚園に入る前から1人、幼馴染がいる。俺の家の前に住む星宮千歳だ。小学生まではよく友人と一緒に遊んでいたのだが大人に近づくにつれ一緒に遊ぶことも一緒になることも無くなってしまった。
「…い!かーい!海!!聞いてんのか」
「いってぇな。辞書の角で叩くことねぇだろ!」
親友の悠斗は聞いてねぇ方が悪いと乱雑に辞書を机に置いた。
それ、一応俺のなんだけどな。昨日一緒に勉強している時、間違えて持って帰ってしまったのだ。教科書ならまだしも辞書はないよなぁと言ったら今度は3回くらい叩かれそうなのでその言葉はしまっておくことにする。
「お前がボーっとするなんて珍しくもないけどみんながいるところでするのは珍しいな。どうした」
「…なんもねぇよ。ただ今日の晩御飯は何かなって」
もちろん嘘だが彼は深追いはしない。その距離感が俺は好きだった。
「ふーん。ちなみに俺ん家はカレー」
「マジかー!お前ん家のカレーすっげぇ美味しいよな」
「もちろん。お母さんがこだわってスパイスを組み合わせてるからね」
俺には幼稚園に入る前から1人、幼馴染がいる。俺の家の前に住む星宮千歳だ。小学生まではよく友人と一緒に遊んでいたのだが大人に近づくにつれ一緒に遊ぶことも一緒になることも無くなってしまった。
「…い!かーい!海!!聞いてんのか」
「いってぇな。辞書の角で叩くことねぇだろ!」
親友の悠斗は聞いてねぇ方が悪いと乱雑に辞書を机に置いた。
それ、一応俺のなんだけどな。昨日一緒に勉強している時、間違えて持って帰ってしまったのだ。教科書ならまだしも辞書はないよなぁと言ったら今度は3回くらい叩かれそうなのでその言葉はしまっておくことにする。
「お前がボーっとするなんて珍しくもないけどみんながいるところでするのは珍しいな。どうした」
「…なんもねぇよ。ただ今日の晩御飯は何かなって」
もちろん嘘だが彼は深追いはしない。その距離感が俺は好きだった。
「ふーん。ちなみに俺ん家はカレー」
「マジかー!お前ん家のカレーすっげぇ美味しいよな」
「もちろん。お母さんがこだわってスパイスを組み合わせてるからね」