一之瀬さんちの家政婦君
気温の低い日は無性にホットミルクが欲しくなる。
子どもみたいだとからかわれてもこれだけはやめられない。
冷蔵庫を覗いて牛乳パックを手に取った。
軽く振ってみると、少なくなった牛乳が底の方でチャプチャプ小さな音を立てている。
「一之瀬さん、牛乳が無くなりそうなのでちょっと買ってきますね」
身につけていたエプロンを取ながら言うと、少し間を空けて「あぁ」と気の無い返事が返ってきた。
ついでに夕飯の買い出しも済ませてしまおうと思いたちエコバッグとお財布、スマホを持ってマンションを出た。