日向くんを本気にさせるには。



今の好きにどれだけ日向くんの気持ちが入ってるかなんてわかんないのに



「…また変な顔してる。」


「もう、だから笑ってるの!」


やっぱり喜んでしまうわたしは
どこまでも大バカだ



「…ほら、今度こそ帰るよ。」


「うん…。」



教室を出て静かな廊下をわたしと日向くん隣り合わせで歩く


この廊下がすっごく長かったらいいな
なんて…


考えてる間にも、もう下駄箱に着いて
あっという間に学校を出る寸前



「じゃ、じゃあね…日向くん。」


こんなにじゃあねって言うのが嫌だって思ったのは今日が初めて



「……ひとりで帰れる?」


「っ…、」


この人は…わたしがせっかく自分から
頑張って気持ちを抑えてるのに


どうしてそんなこと言うかな…

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